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後見制度には、大きく分けて「任意後見制度」「法定後見制度」の2つの種類があります。今回は、「任意後見制度」についてお話していきます。
@見守り及び財産管理契約
認知症になるまで、将来の任意後見人に銀行の手続きなどを委任します。
(お手伝いの内容)・定期的な訪問・金融機関での入出金の付き添い、代行・入院手続きに関する契約など
(期間)契約時から任意後見が始まるまで
A任意後見契約
将来、認知症になった時に、任意後見人にしてほしいことを決めておきます。
(お手伝いの内容)任意後見契約で、あらかじめ定めた、財産管理や療養看護に関する法律行為
(期間)認知症発症時から、お亡くなりになるまで
B死後事務委任契約
亡くなった後、してほしい事について、決めておきます。遺言とは別です。
(お手伝いの内容)死後事務委任契約で、あらかじめ決めておいたこと
例:仏壇の処分・葬儀・納骨など
(期間)お亡くなりになった後
上記@〜Bまでの3つを公証人役場で契約をします。
今のうちに、自分で将来のことを決めておけますので、安心です。
ただし、この契約で決めることができるのは、「将来、認知証になった後」のことです。
では、「認知症になる前」と「死亡した後」について、決めておくことはできないのでしょうか。
例えば、1人で暮らしていらっしゃる方が、「認知症ではないが、入院中の銀行手続きを依頼したい」とか、自分が亡くなった後の、荷物の処分を依頼したい」という時です。
これらも、予め契約をしておくことが可能です。
・「認知症になる前」のことを決めておく〜「見守り及び財産管理契約」
・「死亡した後」のことを決めておく〜「死後事務委任契約」
この2つの契約を、「任意後見契約」と一緒に行います。ちなみに、「遺言」は、自分の財産を誰に遺すかを決めることですので、「死後事務委任契約」とは異なります。
@「見守り及び財産管理契約」A「任意後見契約」B「死後事務委任契約」の3つをすることで、「現在から死亡した後」まで、もれなく、「誰」に「何」をお願いしたいのかを決めることが可能になります。
任意後見制度Q&A
Q:どんな時に利用するのでしょうか
A:今は元気で、判断能力に問題ありませんが、将来、認知症になった後のことが心配な時です。
Q:どんな事ができるのでしょうか
A:もし認知症になったら、「誰」に「何をしてほしいのか」を今のうちに、具体的に決めておきます。「誰」は身内の方でもいいですし、司法書士のような専門家に頼むことも可能です。
Q:どうやってするのですか
A:公証人役場で、公正証書を作成します。裁判所の手続きではありません。(実際に後見が必要になった時は、家庭裁判所の手続きになります。) |